お酒の糖質量については、もうばっちりですね?
ということで、今回は、お酒が糖質制限中の身体に与える影響についてお話しします。
まず、お酒と糖質制限の関係について、よく耳にする情報を挙げてみます。
・糖質制限中は、糖質の含まれないウィスキーや焼酎などの蒸留酒、糖質ゼロの発泡酒や缶チューハイなどなら好きなだけ飲んでもOK。
・お酒のおつまみも、糖質さえ控えれば問題なし。
・アルコールは『エンプティーカロリー』だから、直接的に太る原因にはならない。
このような情報がそのまま広がっているように思えます。
確かに、根本的に間違った情報というわけではありませんが、これらの情報を鵜呑みにしているようでは、糖質制限ダイエットを成功させることは、かなり厳しいでしょう。
今回は、その理由をひとつずつ解決していきましょう。
目次
糖質制限中は、糖質の含まれないウィスキーや焼酎などの蒸留酒、糖質ゼロの発泡酒や缶チューハイなどなら、好きなだけ飲んでもOK?
この問題を解決するために、まずこちらの画像を見てみましょう。
糖質ゼロの缶チューハイ『キリン・ザ・ストロング』の栄養成分表示の画像になります。
たんぱく質、脂質ともに、0g 、炭水化物 マックス値でも、0.8g
炭水化物のカロリーは、4kcal/g ですので・・・
0.8g × 4kcal = 3.2kcal
❔❔❔
53kcal には、程遠いですね・・・
お酒のカロリー計算の記事でしつこいほどにお話ししましたね。
残りのカロリー(53kcal ー 3.2kcal = 49.8kcal)は、アルコールによるカロリーですね。
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糖質制限にお酒は厳禁!? お酒のカロリー計算、糖質量を詳しく解説!①
糖質制限にお酒は厳禁!? お酒のカロリー計算、糖質量を詳しく解説!②
糖質制限にお酒は厳禁!? お酒のカロリー計算、糖質量を詳しく解説!③『ストロング・ゼロ』
アルコールは、7kcal/g のカロリーがあるわけなのですが、アルコールは、他の栄養素とは異なる影響を身体に与えるます。
たんぱく質は、筋肉、骨、髪の毛、爪、血液などを構成する材料となり、脂質は、細胞膜、ホルモン、核膜などの材料やエネルギー源にもなります。
その一方、アルコールは糖質と同様に、身体を構成する材料にはならず、エネルギー源としてしか使われません。
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さらには、アルコールのカロリーは、摂取するとすぐに、優先的にエネルギーとして使われてしまいます。
この代謝回路の変更は、人体に害のあるもの、不要なもの(アルコール)をいち早く消化し、身体から抜き出そうとする正常な反応というわけです。
糖質制限ダイエットのメカニズムとは、糖質摂取量を制限する(減らす)ことによって、体内のエネルギー源(糖質)を枯渇させ、糖質をエネルギー源とする代謝回路から、体脂肪を分解してエネルギー源とする代謝回路に意図的に変更させるということでしたね。
その効果によって、糖質制限を継続している間は、テレビを見ていようが、ソファーの上でゴロゴロしていようが、電車に揺られていようが、寝ていようが、どんどん脂肪が燃焼していき、痩せていくわけですね。
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ですが、アルコールを摂取してしまえば・・・
アルコールのカロリーを優先的にエネルギー源としますので、糖質制限の効果(脂肪燃焼)がストップしてしまうことになります。
少量の飲酒であれば、その時間は短くて済みますが、飲めば飲むほどアルコールの分解・消化には時間が掛かりますので、糖質制限に与える悪影響は大きくなってしまいますね。
たとえば、二日酔いになるほど飲んだとしましょう。二日酔いとは、寝て起きてもまだ全てのアルコールが消化できずに体内に残っているということですから、かなりのタイムロスになっちゃいますね。
お酒のおつまみも、糖質さえ控えれば問題なし ?
続いては、お酒のお供、おつまみの問題です。
という話ですが、これもアウトです。
先ほどお話ししましたが、アルコールを摂取すると、そのエネルギーはすぐに活動エネルギーとして優先的に使われます。
糖質制限と言っても、糖質を完全にカットするということは、残念ながら不可能な話ですよね。
低糖質なおつまみばかりを選んでいても、必ず少量は体に糖質が入ってきます。
その時、摂取した糖質は、エネルギーとして使われることはなく、最終的には全て体脂肪になってしまいます。
たんぱく質、脂質についても、身体を構成する材料としての必要量以上の摂取分は、最終的に体脂肪として蓄積されるのです。
というわけで、糖質制限において、『飲酒』は、量にもよりますが、障害になることは間違いありません。
せめて、糖質制限ダイエットの効果を少し遅らせる程度にとどめるために、飲酒量、おつまみのチョイスには気をつけましょう。
アルコールは『エンプティーカロリー』だから、直接的に太る原因にはならない?
『エンプティーカロリー』とは?
この台詞、一度は飲みの席で聞いたことありますよね。
①自分に対しての言い訳なのか・・・
②女の子を酔わせて、腹黒いことを企んでいるか・・・
③ただ、間違えた知識を身に付けてしまっているのか・・・
この①~③のどれかでしょうね。
まず、『エンプティー』ってなに?
って話になりますよね。
empty(エンプティー)とは、『空っぽ』という意味です。
車のガソリン(燃料)のメーターを思い出してください。
画像のように、『F』と『E』の文字が左右にありますよね。
『F』は、『full』(いっぱい、満タン)の頭文字ですが、
『E』は『empty』の頭文字なんですね。
たまに、『end」だと勘違いしている人がいますので、気を付けて下さい。
アルコールは、7kcal/g のカロリーがありますが、なぜ『エンプティーカロリー(空っぽのカロリー)』と呼ばれているかというと・・・
身体を構成する材料にならず、体内に蓄積することがないという性質に由来しているのです。
基本的に、たんぱく質、脂質は、身体を構成する材料となり、過剰摂取分は最終的には体脂肪として蓄積され、糖質は活動エネルギーとして利用され、余ったものは、これまた体脂肪として体内に蓄積されます。
それに対して、アルコールは優先的に活動エネルギーとして使われますが、余剰分は体内に蓄積はされず、完全に体内から抜けるまで優先的に消費されます。
つまり、カロリーはあるのに、身体の材料にならず、栄養素も含まず、体内に蓄積されないという意味で、『エンプティーカロリー』と呼ばれるわけです。
いい言葉ではありませんが、『あいつは中身のない、空っぽの人間だ』などという表現に近い感じですかね。
このように、『エンプティーカロリー』とは、ゼロカロリー、ノーカロリーというわけではなく、『内容がない』『必要がない』とも取れるような意味ですので、注意してくださいね。
アルコール『エンプティーカロリー』は太るのか?
カロリー計算をしたうえで、アルコールを摂取するのならば、直接的に太る原因になるとは断定できませんが、糖質制限ダイエットにおいては、脂肪燃焼を中断させ、ダイエット効果を遅らせることは間違いありません。
まとめ
『お酒を飲めない人は人生を楽しめていない』などと言われることがあるくらい、お酒は酒好きの人にとって、大きな楽しみでもありますし、交友関係やビジネスにおいても重要なコミュニケーションツールのひとつになっています。
お酒を完全に避けて通るのは難しいことに違ないでしょう。
だったら、正しい知識を身に付ければいいんです!
糖質制限とお酒の付き合い方をしっかり学び、ストレスフリーな糖質制限生活を目指しましょう。
次回は、糖質制限とセットで考えられる『筋トレ』と『飲酒』の関係についてお話ししていきますね。
予習としてこちらの記事を読んでおくことをお勧めしますね。
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糖質制限に筋トレは必要か?セットで考えられる理由を解説します!