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糖質制限のメカニズムとは?
糖質の摂取を減らすことで(糖質を減らすぶん、脂質とタンパク質を多く摂取する)、糖質をエネルギー源とするのでなく、脂肪をエネルギー源とする代謝回路に意図的に変更して、体脂肪を効率的に燃焼させるダイエット法を糖質制限ダイエットと言いますが、そのメカニズムについて、お話ししたいと思います。
糖質制限ダイエットでは、今までみなさんが一度は挑戦したことがあるであろうカロリー制限でのダイエットでは考えられないような現象がたくさん起こります。
ダイエットの敵だとか悪だとか長年言われ続けてきた脂質をを多く摂り、基礎代謝を大幅に超えるカロリーを摂取し、間食もおおいに摂り、たいした運動もせず・・・
それでも痩せていく。
おかしな話だと思って当然だと思います。
胡散臭くもありますよね。
いくら頑張って糖質制限ダイエットが順調に進んだとしても、自分の体の中で、どういった現象が起きて痩せたのかが分からなければ、不安になることもある思います。
今までの記事と重複する部分もありますが、もう少し詳しくお話ししていきますね。
では、早速参りましょう。
現代の主流の食習慣では、糖質(ごはんやパンなどの穀物)を多く摂り、それらに含まれる糖質をエネルギー源として、人は活動しています。
そのエネルギー源である糖質の摂取量を制限し、意図的に体内のエネルギー源(糖質)を枯渇(完全になくなる)させます。
そうすると、人間の身体は、体内に蓄積された体脂肪(中性脂肪)を分解して、エネルギーとして活動できるように代謝システムを切り替えるようにできています。
雪山で遭難した人たちが、何日間も何も食べなくても生きていられるのは、人間が持つその機能が働くからです。
つまり、糖質を制限することの目的は、糖質を枯渇させることで、脂肪をエネルギー源として活動できるように代謝システムを切り替えることなのです。
体脂肪をエネルギー源とする代謝機能のスイッチが入れば、蓄積された体脂肪をどんどん燃やして、エネルギーとして使うことができますね。
その結果、効率的に痩せる(体脂肪を減らす)ことが可能になるわけです。
ケトン体とは?
そして、中性脂肪を脂肪酸に分解してエネルギーに変換する時、脂肪酸の一部は肝臓で『ケトン体』という物質に変わります。
その後、ケトン体は血流に乗って 筋肉や脳のエネルギー源として利用されるのです。
そのことから、脂肪代謝のシステムのことを、ケトン体回路やケトジェニック回路などと呼びます。
人間の活動とは、激しい運動をしたり、頭を使ったりすることだけではなく、息をする、眠る、心臓から身体全身に血液を送り込むなどといった全ての無意識的な生命維持活動も含まれます。
ですから、一度ケトン体回路の体を手に入れれば、ベッドの上でゴロゴロしていようが、テレビを見ていようが、電車に揺られていようが、あなたの体脂肪はどんどん燃えていくのです。
糖質制限を上手く実践し、ケトン体回路が発動すれば、このような変化が体の中で起こり、あなたは美しく、かっこよくなっていくのです。
ケトン体回路を発動させるには・・・?
しかし、ケトン体回路を確実に機能させるまでには、少々時間がかかります。
糖質制限開始直後には、エネルギー不足により、身体がだるく感じたり、頭の回転が鈍ったり、ぼぉーとしたりします。
そんな場合は、基礎代謝の2倍、3倍ほどの摂取カロリーになっても構いませんので、糖質の代わりにエネルギー源となる脂質をたっぷり摂って、乗り越えれば大丈夫です。
個人差もあると思いますが、2.3日である程度は体が楽になってくると思います。
楽になってきたとは言っても、日頃からジムに通ったり、スポーツをしている人は、今まで通りのパフォーマンスを出すのは難しいでしょう。
しかし、それは当たり前の現象ですので、ご心配なく。
考えてもみて下さい。
今まで全く使ってなかった機能を突然使い始めたんですから、適応するまでそれなりの時間がかかることは当然のことですよね。
完全に体が適応して、力がみなぎってくるまでには、 平均的に、だいたい2週間くらいですかね。
でも大丈夫です。2週間も糖質制限を続ければ、絶対にかなりの成果が出ていますから、モチベーションも維持どころかアップしているはずです。
ケトン体回路とは、人間に備わった素晴らしい機能です。
眠らせたままにしておいたらもったいないですよ!