今回は、人工甘味料、糖アルコールの続編として、ゼロ・カロリー、砂糖不使用(ノンシュガー)などの謳い文句で売り出されているガムやキャンディーなどのお菓子に使われる成分についてお話していきますね。
今回はテレビCMなどで誰もが目にしたことがあるであろう商品を例にして解説していきます。
目次
低糖質ガム、キャンディー 『キシリクリスタル』『クロレッツ』
『キシリクリスタル』の成分
ノンシュガーのキャンディー、『キシリクリスタル』と、ノンシュガーのガム、『クロレッツ』になります。
早速、『キシリクリスタル』の成分から見ていきましょう。
原材料に甘味料として、キシリトール、ソルビトール という成分が使われていますね。
次に、『クロレッツ』の方を見てみましょう。
『クロレッツ』成分
こちらにも、ソルビトール、キシリトールが使われていますね。
では、それぞれの成分を解説していきます。
キシリトール、ソルビトールの特性
キシリトール
キシリトール
キシリトールは、白樺、樫、とうもろこしの芯などから精製される天然由来の糖アルコール。
スクロース(ショ糖)と同程度の甘みを持ち、カロリーが4割低く、吸収速度が緩やかなため、血糖値の急上昇を引き起こさない。
※スクロース(ショ糖)・・・砂糖の主原料
また、加熱による甘みの変化がないため、加工にも適している。
冷涼感があり、後味の切れが早く、砂糖の代用品として、ノンシュガーのガムやキャンディーなどに広く使用されている。
ソルビトール
ソルビトール
バラ科ナナカマド属 (Sorbus) の植物から発見された天然由来の糖アルコール。
同じ重量の砂糖と比べてカロリーが75%程度と低いため、ダイエット食品、菓子などの低カロリー食品の甘味料として使用されている。
しかし、甘味度は砂糖と比べて60%程度しかないので、同じ甘さを得るためには砂糖よりも多く加える必要がある。
また、水に溶解する際に吸熱反応を起こし、口の中でひんやりとした感触がすることから、飴・ガムやスナック菓子などに清涼剤として用いられる。
小腸での吸収は極めて悪く、血糖値の上昇にはほとんど影響しない。
このようなそれぞれの特性を活かして、低カロリー、超低糖質なガムやキャンディーの原料に使われているというわけです。
また、特にキシリトールにおいては、虫歯予防になるというイメージが強いと思われますが、しっかりとした効果を発揮するには、様々な条件が必要になってきますので、鵜呑みはせずに、しっかり歯磨きをしましょう。
キシリトール、ソルビトールの安全性
世界的には、WHO(国際保健機関)、FDA(米食品医薬局)、FAO(国連食糧農業機関)などの主要機関、日本の厚生労働省も安全性を認めていますし、実際に多くのメジャーな商品に積極的に使われていますので、ご安心ください。
難点を挙げるとすれば、私にも経験がありますが、キシリトール、ソルビトールに限らず、大量に糖アルコールを摂取すると、お腹が緩くなってしまうことがあります。
※糖アルコールや人工甘味料が使われた商品にも注意書きされてる場合が多くあります。
少し難しい話になってしまいますが、
通常、ヒトが何かを食べれば、胃や腸などの消化管で消化・吸収されますが、糖アルコールや人工甘味料にはその過程がないため、そのまま大腸に流れ込んでいきます。
大腸に糖アルコールがそのまま流れ込むと、大腸の役割である水の吸収が阻害されてしいます。
腸内で吸収されなかった水分は便と共に排出されますので、下痢になってしまうというわけです。
また、大腸に糖アルコールがそのまま流れ込むと、大腸内の浸透圧(水を引っ張る力)が高くなってしまいます。
その結果、大腸内の浸透圧を下げるために、体内の水分が集まり、下痢が引き起こされるのです。
ですが、これはあくまで一時的な症状であって、健康を害しているわけではありませんし、継続的に摂取するとほとんどの場合ある程度の耐性を生じ、これらの症状は見られなくなりますが、くれぐれも過剰摂取には注意してくださいね。
キシリトール、ソルビトール 血糖値に与える影響は・・・?
また、キシリトール、ソルビトールを含む、ほとんどの糖アルコール、人工甘味料は、血糖値を上昇させにくい成分ではありますが、全く血糖値を上昇させないわけではありません。
もちろんカロリーもありますので、油断して大量に摂取しないようにしましょう。
日本の糖質制限の第一人者である江部康二先生は、糖アルコールや人工甘味料が血糖値の上昇に与える影響は、平均的に砂糖の約半分ほどだと言われています。
ということは・・・
4.0g/1粒 の糖質(キシリトール、ソルビトールなど)を含むキシリクリスタル(ノンシュガーキャンディー)は、実質 2.0g/1粒 程度の糖質量として血糖値の上昇に影響を与えると考えていいでしょう。
人それぞれの体質やその時々の体調によって変動があると言われていますが、このくらいに考えて糖質摂取量を計算しておけば問題ないですね。
また、クロレッツについては・・・
1g/1粒 の糖質量ですので、実質 0.5g/1粒 ということです。
※糖質と糖類の違いについては、こちらの記事で詳しく解説してあります。
それぞれ大した糖質量ではありませんが、塵も積もれば山となりますので、食べ過ぎには注意してくださいね。
まとめ
糖アルコール、人工甘味料には多くの種類があり、特性も様々です。
将来的にも、もっと種類は増えていくと考えられます。
自分の身体の中に入ってくるものですので、糖質量のことだけを考えるのではなく、代表的な成分だけでも、それぞれの特性を理解して、自分の身体の中で起こっている状態をイメージできるようにしておきましょう。
そうすることで、より健康的に安全に糖質制限ダイエットを成功させることができるはずですからね。
では、その他の主要な糖アルコール、人工甘味料についても、別の記事でお話していきますので、ご覧ください。